平成24年9月から乳幼児へのポリオ(小児まひ)の予防接種が、生ワクチンから不活化ワクチンに切り替わっています。従来の飲むタイプの生ワクチンは、70万人に1人の割合で手足にまひが出るなどの副作用がありましたが、ウイルスを無毒化した不活化ポリオは、まひや感染の危険はありません。ただ、効果が高い生ワクチンに対し、抗体がつきにくく、4回接種しなければなりません。
初回接種と追加接種があり、初回接種は生後3ヵ月から20日以上あけて3回、追加接種は初回接種から6ヵ月以上あけて1回受けます。 | |
生ポリオワクチンをすでに受けている場合は、左記のようになります。 | |
※4種混合ワクチン導入(11月)までのステップ ※現時点では4回目の接種は定期接種対象外 |
(厚生労働省ホームページより)
11月にはジフテリア、百日ぜき、破傷風の3種混合ワクチンに不活化ポリオを含めた”4種混合ワクチン”が導入される予定です。
予防接種とは、病原体の力を弱めるなどして作った薬液(ワクチン)を接種して免疫をつくり、発病を予防したり病状を軽くしたりする方法をいいます。
ただ、ワクチンに含まれる成分に対して過剰なアレルギー反応を起こす「アナフィラキシー反応」があるために、予防接種を受けられないお子さんもいます。健康な人がきちんと予防接種を受けることは、こうした弱い立場の子どもたちを守ることにもつながります。
国内の予防接種は種類により、自治体が費用を負担する「定期接種」と自費の「任意接種」があります。冬に流行期を迎え、重症化して死亡例もあるロタウイルスのワクチンなど、任意でも重要度の高いものも多くあります。
(阿久津博美 栃木県医師会常任理事)